ダイスストーリー<第1回>

パロディー昔話 by Miruba



昔むかしあるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
ある日、二人が野良仕事をしていると、すでに夕暮れになった空に輝きだした一番星の横から、ヒューーッ!!と大きな音を立てながら丸い物体が畑の真ん中に落ちました。


おじいさんは危うく直撃を受けるところで、もし当たったら死んでいたなと思い、「なんと迷惑な星だ。どうせならおばあさんの上に落ちれば良いのに。おまけにせっかく収穫間じかの畑に大きな穴を開けちゃって、ホント大迷惑!」と叫びました。


おばあさんは聞こえなかったことにしてふと丸い物体を見ると、<地球からの無料プレゼント!おめでとうございます。by Mr.Miyazakiじぶ~り」>とひも付きのタグがあったので、「おじいさんや、無料ですって、引っ張っちゃえ」とタグをひっぱると、地球ボールの中から、女の子が「おぎゃぁ」と出て来ました。


二人は子供を10人も育てみな独立しており、もういらないわと思っていたので、二人で裏山に捨てに行こうと目配せをしていたら、生まれたての女の子が『噴水を作ってくださったら、お金の噴出す噴水にして見せます』というので、仕方なく育てることにしました。


名前は「かぐわし姫」と名づけました。たいして意味はありませんでした。
ですが、育ててみると、かぐわし姫は、頭は良いし器量は良いし、自慢の娘になりました。
おまけに噴水からお金が飛び出すので二人は辛い野良仕事はばかばかしくてやめてしまいました。


かぐわし姫がハタチになると、噂を聞きつけた神様が、次から次にかぐわし姫に結婚を申し込みます。
例のごとく、その中に熱心な神様が3人おりました。
またまた例のごとく、「結婚したけりゃ珍しいものを持ってきて。一番珍しい物を持ってきた人と結婚する」とのかぐわし姫の注文でした。いつの時代も美人の姫は我侭勝手。




一ヵ月後、ニギハヤミコハ~クという川の神様は、<何でも食べる魚>を持ってきました。化学物質から細菌まで何でも餌にするので、川の水が信じられなくなるくらい綺麗に清んでしまうでしょう。と自信たっぷり。


埼玉在住の森のドドロ木神様は、竹の炭のフィラメントと発光ダイオードをまぜこぜした太陽光電気を持ってきて、このライトは電源が要りません。美しい人の横では永遠にライトはついたままです。と自信たっぷり。


風の谷のオオム陸亀の神様は、<モシモシカメヨ携帯>の電話を持ってきて、この携帯電話は銀河宇宙距離の計算の答えから人の心まで何でも教えてくれますよ。と自信たっぷり。


かぐわし姫は、全部ほしいので、川に架かった橋を壊して埋め立ててしまい。森の木々は焼き払ってしまい、亀は宇宙ループマラソンコースに放り込んでしまいました。


そして、おじいさんとおばあさんに、錠前と鍵を渡し、また私に会いたくなったら鍵を開けてくれたらすぐに来ますからね。
といって地球に帰っていきました。ですが、かぐわし姫の神様たちへの仕打ちがあんまりだと、村八分にされていたおじいさんとおばあさんは、お金を出さなくなった噴水をみて、自分たちの強欲さも恥ずかしくなり、「あんな我侭な娘には二度と会いたくない」と鍵を捨ててしまったのでした。




ーーーーーーーー


「さあ、世紀の瞬間です。あの大昔話の『かぐわし姫』が本当にこの錠前が開くと現れるのでしょうか?では、元大泥棒、鍵空け名人キーマンさん、挑戦をお願いいたします!」


キーマンさんは、無言で神妙な顔をして針金を突っ込みました。


「今までどれほどの鍵空け名人が挑戦し失敗してきたことでしょう!今夜こそ!かぐわし姫のお姿を拝見したいものです」


そうコメンテーターが叫ぶ中、「開いた」となんでもないような低い声でキーマンさんが言ったとたん。地球星の丸い物体が空からボトンと落ちました。
落ちた衝撃で中から、チョー美人のナイスバディーおねえちゃんが出て来ました。


「あの~かぐわし姫さんですか?」


「んなわけないでしょう?私はかぐわし姫の100代目の子孫かぐわし姫子よ」


「へ?そうですか。で、かぐわし姫は?」


「聞いた話だけれど、<何でも教えてくれるモシモシカメヨ携帯電話>に亀さんからストーカーみたいにいつも電話がかかってノイローゼになって、結婚したけど相手の心の声まで聞こえちゃうので上手く行かず、子供をつれて離婚後、それまでずっとついていたライトが消えっぱなしなので頭にきてブッ壊しちゃって、ストレスからピロリ菌が繁殖したというので、魚にお腹の中のばい菌を皆食べさせようと思ったら、全部ばい菌だったらしくて、残ったのは清らかな洋服だけだったらしいの。【魚が怖い】が家訓よ」


みんなで、やっぱり悪は滅びますな~と話していたら、そこにひょっこり宇宙ループマラソンにえっちらおっちら参加していたオオム陸亀の神様が、ゆっくりと帰ってきたではありませんか!ブラックホールの周りは時間がゆっくり流れるって聞いたけれど、本当だったのか、と皆思いました。
地球から来たチョー美人のナイスバディーおねえちゃんと知り合いなのか、しっかりと抱き合っています。


「かぐわし姫子ちゃん、宇宙ループマラソンから抜け出せる計算を、あのかぐわし姫にあげた<モシモシカメヨ携帯>で解いてくれてありがとう。
助けてくれたお礼をしたいので、この<恨みの溜まってた箱>をあげようね」
「ありがとう、おじいちゃん亀さん」
とチョー美人のナイズバディーおねえちゃんが、<溜まってた箱>を開けようとするのを見た周りの観衆は、大慌てで、蜘蛛の子を散らすように、宇宙中に散らばって逃げましたとさ。
それが、空に散らばった星になったということです。めでたし、めでたし。




この作品は第1回ダイスストーリーのお題に基づいて創作されました。
9つのダイスを転がし、偶然出た9つのイラストをすべてつかって、ドリームライブラリ作家陣が作品を作り出します。