File No.21 脇本城跡 by 勇智真澄

秋田県男鹿市にある安土桃山時代の城跡。その規模は東北最大級ともいわれ「続日本の100名城」のひとつです。豊臣秀吉の頃、廃城になったといわれる中世の城跡を訪れます。

全開の窓から流れ込む汐風が車内で渦巻の様になり、私の髪の毛がシッチャカメチャクチャ! だけど、気分爽快だよ~。
よく見れば、海のかなたにはうっすらと山々も見える。
でもね、今日行くのは海の向こうに見える山じゃなくって、この道の先にある、大雨で何度もがけ崩れした跡が痛々しい小山だよ。海沿いの短いトンネルを抜けると……


 ……そこは脇本城跡だった。数本の幟が風になびいてパタパタと、手招きしてるみたいに私を呼んでいる。じゃあ、呼ばれてみるか。ということで、行ってみましょうかね(^^♪


説明看板にいろいろ書いてあるよ。あ、これ裏表ね。こんな地域にもお城があったなんて、どんなところかワクワクする、面白そう。さっき通ったトンネルの上になるみたい。
 

あれ、登り口がふたつあるわ。



鳥居の先は階段。踏みつける人もいないのか雑草が蔓延っている。こっちを上る人が少ないってことだよね。先も見えないし、段数がどんだけかもわからないし、途中で行き止まりになってるかもしれないし……そう考えたら、やっぱこっちは嫌だなあ。


階段はやめて舗装された道を行ってみることにしましょうっと。ちゃんと杖も用意されてるし、お年寄りにもやさしいね。えっ? 私? 必要ありません‼


あ~、前を見ても、振り返ってもまだ同じ景色。あとどれだけ歩けばいいのやら。草むらからか木々の間からか、何やら声のような音がする。もしかしたら、熊あっ⁉ えっ、やだ、逃げなきゃ。あれ、死んだふりだったかな。そんな事を思っても、いざとなるとテキパキとは動けない。音が近づいて来る。ぎゃっ! なあんだ、山菜取りのおばさんたちか。方言は異国の音だ。彼女たちの言葉は上手く理解できないけど、雰囲気からすると、どうも休憩するつもりのようだ。


また鳥居が見えてきた。さっき下で見た鳥居の階段は、ここ「菅原神社」に繋がっていたのか。先を見れば、また階段……。学問の神様のご利益が降りてきたような後光がさしているので、この光を浴びて満足としよう。私にはまだ行かねばならない先がある。案内看板によれば、左に進むみたいだ。
 

ん、二本の車輪痕がある。なぁんだ、車で来れるんじゃん。仕方ない、沿道の花を眺めながら歩くか。ほどなくすると、案内板がたっている。あれ? 私は逆回りで上ってきてたのかな。ま、いっか。
 

2~3台は置けそうな砂利の駐車スペース。左を見れば、ぽつねんとトイレブースがある。トイレの中はこんな感じ。尿意はあるけど、使うのにはためらいがあって我慢することにした。
  

右側にはプレハブの無人案内所。ここで、パンフレットゲット! なになに、平成16年に「国指定史跡」、今年は「続日本100名城」に選定されたってか。何気にすごいじゃん。


ここから先は関係車両以外立ち入り禁止。私は徒歩だから、問題なく通行可能。


じぶんちの庭じゃ迷惑な雑草だと抜いてしまうのに、広い場所でみると不思議と邪魔なものだと思わない。タンポポの綿毛なんか、庭で飛ぶと、網戸にくっついて掃除に手間取るから嫌なのに、原っぱで飛ぶと、追いかけて遊ぶ。同じ花なのに、おかれた場所で待遇が違うのね……。


野原に看板ばかりある。イメージをふくらませよ、在りし時を想像せよ、との暗示か。
 

あの平らな小高い場所に城があったのかな。とても小さな城だったんだろうなあ。景色はいいから、別荘感覚の見晴らし台みたいなもんかな。


 草むらをかき分けて城跡部分に進むのも気分が乗らないので、遠くから眺めて終わる。数年前に、城好きでも有名な落語家の春風亭昇太さんが訪れたんだって。あ~あ、なんで私その時にいなかったんだろ、残念。彼が一緒なら、草むらだろうが、道なき道だろうが、必死について行くんだけどな。だって、昇太さん好きだから。会いたかった~~。会いたかった~~会いたかった~~イエイ(^^♪

シンボルツリー(?)を目指していくと海が見えてきた。ここにも看板。
   

やっぱり海と空はいいなあ。お殿様もお姫様も、この景色を眺めてすごし、時には戦略を練ったりもしてたんだろうか。


とある国が打ち上げた弾道ミサイルが落ちた排他的経済水域は、あの先なんだよね。もっと近くに飛んで来たら(そこまでの技術はないと思うけど)、石油備蓄基地もあるし……。お~っ、考えたら、こわっ! 

漁港も垣間見える。いまは何がとれるのかな。あとで調査に行ってみましょ。もしかしたら、おこぼれにあずかれるかもしれない。ウッシシ。


そろそろ戻るかな。いやあ、牧歌的な景色。のほほんとしながら帰りましょかね。世が世なら、お姫様だったかもしれないよ私、なんて思いながらさ。
さよなら、狛犬さん。また来るね。