第1回 差別しない音楽 
「ピーナッツヴェンダー」by デューク・エリントン

さて、皆さん!
いきなりではありますが「ブラックミュージック」ってなんでしょう?よく耳にはしますよね。でも「ブラックミュージック(黒人音楽)」は音楽のジャンルなのかどうか。
黒人が歌い演奏するのが絶対条件なのか。これは正解なようで、実は微妙です。
私は、もう少し幅広く捉えていいんじゃないかと思っています。ブラックミュージックは、元々は確かに黒人発祥ではありますが、いまや音楽のジャンルを超えて存在する概念と解釈しています。
ちょっと難しくなってきちゃいましたでしょうか。
いえいえ大丈夫です。ブラックミュージックというものに、わかりやすいキーワードで迫ってみようというのがこの企画です。いろいろな角度からブラックミュージックの魅力を眺めていきます。途中で、いったいブラックミュージックってなんだろうと再び混乱するかも知れません。しかし、複雑さがその深みにつながっている面もあるのです。最後までおつきあいいただければブラックミュージックについて詳しくなることウケあいです。

ではまず一曲聴いて頂きましょう!下の再生ボタンを押してください。



デューク・エリントンは、アメリカの黒人で、ジャズの作曲家であり、有名なジャズオーケストラのリーダーとして、1930年代から戦後にかけて、大成功を収めました。
なぜ、この曲から始めたのか。実は「黒人音楽」って“混血性”がとっても高いんです。
きわめて単純にいうと、ブラックミュージックは、ヨーロッパ移民が労働力としてアメリカに連れてきた(きわめて穏やかな表現です...)”アフリカ人が、音階や楽器、そして何より音楽に対する考え方の違いを吸収し、開発したものと言えます。
これは重要な黒人音楽理解のツボです。アフリカの黒人がアメリカでジャズを生み出し、さらにそのジャズマンが、南米のリズムであるアフロキューバンの音楽をとりいれた演奏を流行させたのがこの「ピーナッツ・ヴェンダー」です。
まさにボーダーレス!その具体例としてこの曲を取り上げてみました。
 
激しいという言葉ではとても足りない人種差別の実態。ミュージシャンの中にも白人に敵意をあらわにする人も確かにいます。
ただ、生み出した音楽は差別をしませんでした。差別をせずいろいろなジャンルの音楽的要素を取り込んでいったからこそ、純粋でおおらかでたくましい音楽に育ったのだと思います。
 
そうそう、今回お送りしたデューク・エリントンに名言があります。
 
「音楽には2種類しかない。いい音楽と悪い音楽だ」
 
誰が作ったとか、誰が歌ったとかはまるで関係ないんです。
 次回もいい音楽をご紹介しますよ。
それでは、また!