謎かけの作り方  by 網焼亭田楽    

謎かけの達人•網焼亭田楽師匠による謎かけの作り方講座です。田楽流面白い謎かけの作り方がはじめて公開されます。

第1回
はじめまして、あっしは講師を務めさせていただきます網焼亭田楽と申します。
しばし、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。
 
さて、3回にわたっておおくりします謎かけ研究、あたしは謎かけなんぞ興味はないわなんていう方や、興味はあっても作るのが難しそうなんて思っていらっしゃる方もおいでかと思います。
しかししかし、さにあらず。この謎かけという遊び、なかなか頭の回転を良くする効果もございますし、発想を柔軟にする作用もあるようでございます。
謎かけの心が浮かんだ瞬間なんぞ、それはそれは爽やかな気分になるってえもんです。
 
それでは、まず古典的な名作を見ていきましょう。
 
謎かけと言えば、昔は落語家の即興のお遊びというか、間を持たせるためのちょいとした軽い芸でございました。
これが、一般の世に広く知らしめられたのが、ご存知の長寿番組である笑点ですね。その中の大喜利のコーナーで日の目を見たといってよいでしょう。
 
なになにとかけて何ととく、その心は、っていうあれです。
 
ここ最近では、ねづっちなる芸人さんが謎かけをメイン芸として売り出し、世間に認められたのは記憶に新しいところでございます。
そのねづっちが、この謎かけを聞いていたく感心し、自分もこんな謎かけを目指そうと思ったと言われる記念すべき名作がございます。
今回は、この名作を鑑賞しつつ、謎かけ研究のご挨拶に変えさせていただこうと存じております。
 
その謎かけとは、
 
 
坊さんとかけて、朝刊ととく。
 
その心は、
 
袈裟着て(今朝来て)、経(今日)読む
 
 
う~む、さすがに味わい深いものですね(笑)
ではでは、次回より具体的なお題を元に、実際になぞかけを作っていってみましょう。
ちなみに、次回のなそがけのお題は、「金環日食」と「スカイツリー」です。みなさんも、お暇があれば考えてみてください。
お題から心を導き出す様々な方法を検証していきたいと存じます。
 
ではでは、次回を乞うご期待!

第2回
さてさて、今回は具体的に謎かけを作ってみることにいたしましょう。
今回のお題は、「金環日食」と「スカイツリー」でした。
まずは、金環日食から考えていきましょう。
考える順序としましては、お題から心(オチ)の部分を考えて、それに効果的なかけ方を考えるといった順序です。
心の部分といっても、漠然と考えるわけにもいきません。そこで、お題から思いつく単語をいくつか連想してみます。あたしの場合は、自由連想法に近い方法でヒラメキを待ちますが、慣れない方は発想法で有名なkj法やオズボーンのチェックリストなんかを使ってもよろしいかと思います。
とにかく、お題から何かを思い浮かべれば良いのです。
たとえば、金環日食ならば、構成物ならば太陽と月ですし、現象面ならば欠けるということですよね。
そこで、金環日食⇒月⇒ツキ(運)と思い浮かべたとしましょう。
金環日食は太陽と月のコラボで成り立つわけですよね。つまり、月だけでは成り立たない。
はい、ここで心がヒラメキましたね。
 
その心は、ツキだけでできるものではありません。
 
こんな感じで心ができたら、次に効果的なかけ方を考えれば出来上がりです。ツキだけじゃできないものを考えれば良いわけです。
たとえば、あたしなんかは競馬が好きなものですから、競馬でツキだけじゃできないものは何かって考えるわけです。すると、かけ方もなんとなく浮かんでくるわけです。
はい、できました。
 
金環日食とかけて、100%的中する競馬の予想屋ととく。
その心は、
ツキだけでできるものではありません。
 
と、まあこんな具合です。
もうひとつぐらい考えてみましょう。現象面では欠けるんですよね。しかも、徐々にはじっこから欠けていくんですね。はじ(端)は恥でもありますね。
ほら、なんかピーンときませんか。
心としては、徐々に恥が欠けていきますってところでしょうね。
すると、とき方の部分は、女性の年のとり方がフィットしてるんじゃないかって思うわけですよ。
すると、こうなります。
 
金環日食とかけて、10代20代30代40代の女性ととく。
その心は、
徐々に恥(端)が欠けていきます。
 
まあ、こんなところでしょうか(笑)
長くなっちまいましたので、スカイツリーに関しましては、次回研究をさせていただくことにいたしましょう。
ほら、なんとなく皆さんもできそうな気がしてきませんか。
 
では、次回も乞うご期待!

第3回
さあ、皆さまもかなり自信がついてきたのではないでしょうか。
ここで、もう一度、整理しておきましょう。
①お題から連想する言葉をいくつか思い浮かべる
②その中から、オチに使えそうな言葉を選ぶ
③オチが効果的になるようなとき方を考える
 
これで、完成。ほら、誰にでもできそうですよね。
では、今回は、もう一つのお題、「スカイツリー」を考えてみましょう。
まず、スカイツリーから何か言葉を思い浮かべるんでしたね。
スカイツリーのニュースでエレベーターが止まっちゃったと言ってましたね。
はい。では、心はこれをいただきましょう。風でとまっちゃったということですね。あとは、とき方を考えればいいのですよね。
はい、整いました。
 
東京スカイツリーとかけまして、「なんでおめえだけ修学旅行から帰って来るのが一日遅かったんでい」と言われている生徒ととく。
その心は、
風(風邪)のため止まる(泊まる)ことだってあるんです。
 
もう一つ、いっちゃいましょう。
スカイツリーと言えば、東京の新しい名所です。これを使ってみましょう。
 
はい、整いました。
 
スカイツリーとかけまして、リニューアルされた鬼太郎の親父ととく。
その心は、
新しい目玉です。
 
こんなところでいかがでしょうか。
皆さま、日頃、頭を使うことがトンと減ってきてはいませんでしょうか。
謎かけで頭の回転を早くして、柔軟な脳みそにしちゃおうじゃありませんか。
 
そこのあなた、ボケ防止になること請け合いですよ(笑)
ではでは、これにて失礼いたしま~す。